子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

発達障害児、漢字の宿題と戦う!自己流の支援で時間短縮!

宿題ができない?こんな学習支援はいかが?

今日の主役はムードメーカーのADHD男子

小学3年生の瑛人くんは、普通学級に通うADHDの男の子です。多動で、集中し続けることは苦手ですが、毎日ハツラツと元気でムードメーカー。何に対しても物怖じせず良い意味で猪突猛進、常に勇敢なリーダーにもなれます。

 

下校して、おやつを食べ、さぁ宿題となったとき、ぽつりと一言

「かんじやりたくない……」とこぼしました。

言葉通り、音読や計算ドリルはささっと終えられましたが、漢字のノートを開くまでがもう!長い長い戦いです。やっとのことで机に向かっても、やりたくない気持ちはどんどん大きくなっていきます。

集中力が続かない原因は……?

漢字の書き取りに取り組む姿を見ていると、やはり集中視・注視が苦手な様子。

目的の箇所に視線が行くまでに、いろいろなものが気になってしまう。

ドリルの挿絵、消しゴムのカス、ノートのもらった赤い花丸……

大人には気にならない些細な刺激たちが、瑛人くんの集中力をもぐもぐ食べてしまいます。手癖でえんぴつをくるくるしてみたり、意味なく教科書をペラペラしてみたり。しまいには部屋をうろうろしてカーテンに巻き付き、通りすがりの職員に怒られ、さすがの瑛人くんもしょんぼり。

ついに力尽きた瑛人くんは、机に突っ伏してブツブツ言い始めます。

「なんでこんなに書かないといけないんだ……先生はいやがらせがすきなのか……せいかくがわるい……」

性格が悪いと言われる先生の気持ちを考えたら申し訳ないんだけど、思わず笑ってしまったよ。

 どうして漢字の宿題は時間がかかる?

いやがらせならば、確かに、先生、性格が悪い。しっかし相当嫌なんだな。なんでだろう。

瑛人のテストを見ても、国語の成績は悪くありません。漢字の成績に限っては、平均よりもむしろ上位なくらいです。何がそんなにこの子の気持ちを削ぐのか聞いてみます。

「そんなに嫌なのか!なんで漢字嫌いなの?」
「かん字はさぁ、時間がかかるから、すごいきらい……」
「そうか、時間がかかるのが嫌なんだね。じゃあハルちゃんが、早く終わるようにお手伝いする」
「かわりにやってくれるの?!」
「そうじゃない(笑)」

漢字の書き取り、と一言で言っても、やらねばならないステップごとに分ければたくさんのハードルがあります。

①えんぴつを持って

②漢字を書く場所を確認し

③漢字ドリルの文章を覚えて

④ノートに書き写す。

10行あればこれを10回繰り返し、最後にふりがなをつける。

視点を何度も動かさなければいけない漢字の書き取りは、注視の苦手な子には終わりのない地獄のようなものです。

自己流!漢字の宿題支援法で集中力スイッチを!

ぼくはまず、漢字ドリルの位置を変えました。

できるだけノートの側、書くところに沿うように置き直します。

上記のステップ②→③の視点移動を、できるだけ少なくするためです。ノートの上にドリルを置く子が多いようですが、これでは視点移動が大きく、移動中に多くの刺激に触れてしまいます。これをカット。

さらに、最初の何問かは私が文章を音読し、指さしで視点の誘導をします。

耳からの情報を限定し、集中力を漢字に誘導する。指さしで視点の誘導も行い、与える刺激をすべて「漢字の書き取り」に矯正します。

刺激矯正、視点誘導で瑛人くんの集中力スイッチを強制的に入れることに成功。猛烈なスピードで書き取りを終えることができました。

これだけで漢字の書き取り時間はいつもの3分の1に激減しました。

瑛人くんは、「なんかかん字が いつもより見えた!おれも 見えれば早くできるね。見せてくれてありがとうハルちゃん。」ときちんとお礼を言い、にっこり。

自己肯定感を育てる支援をしたい

ぼくにとって何より価値のある報酬です。

発達障害の子どもは、大人の言葉や子ども同士の比較で自己肯定感が低く育ちがちです。だからこそ、子どもひとりひとりの可能性を敏感に感じて、自信を育てる支援を心がけています。

瑛人くんの「おれってすごい!」「おれにもできる!」をたくさん作っていくことが、私の仕事であり大人の義務であると思っています。

無限に可能性のある子どもたちよ、自分の力に気づきたまえ!