子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

夏休みの工作で外遊び?子どもが夢中になる小芝居

「今日夏休みでいちばん楽しかったよ!」


児童養護施設では、夏休みで暇と力を持て余した子どもたちが、夏に負けそうな職員さんたちに「ヒマ!」コールを間断なく浴びせます。

 

特に男の子は、女の子と違って想像のなかで遊ぶことを得意としません。ですから、おままごとやお絵描き、ぬりえや工作といったいわゆる静かにできる遊びは好まない傾向にあります。

 室内遊びでも、剣豪ごっこやらプロレスごっこやら、大人が見ていてハラハラひやひやするような身体遊びを始めますよね。おもちゃを使っていても、やはり何かしらの闘いが始まりがち。レゴでベイブレードの駒を作りぶつけ合って競ったり、毛布を武器に見立ててバッサバッサと叩き合ったり……女の子とは違う方向性で想像力豊かなのに違いありません。ただ、大人からしたら「や、やめてくれ!危ないじゃないか!」と言わざるを得ないことにも違いありません。

 さてさて、そこで職員さんでないからこそできる遊びを!がモットーなぼくたちの出番な訳です。名付けて「子どもVS大人、水鉄砲大戦!!」子どもをノせるために、「た、大変だ!夏休みの最後を狙って、大人怪人がここに攻めてくるぞ!!防具を作って闘おう!」などの芝居を入れると尚良し。

大戦の内容は、子どもを狙ってきた大人怪人から世界の子どもたちを守ろう!というものに設定しました。水鉄砲に撃たれ、服が全部びしょびしょになった人は「せんとうふのう」になる。顔にはかけない、人には直接触らず水鉄砲だけで闘う(ケガになる恐れがあるため)というルールも確認しました。

ここで子どもたちはノリノリになる訳ですが、お風呂の仕度とタオルを用意させておくことを忘れずに。あとでこの布石は回収します。

次に防具を作ります。大きなごみ袋に手と首を通せる穴を開けて、着られるようにします。油性ペンで模様をデザインすれば、あっという間にオリジナル防具の完成です。自分の防具を作るわけですから、これなら戦隊大好きやんちゃなちびっこもノリノリで製作に興じてくれます。制作中に、「みんなはひとつの戦隊だからグループ名をつけよう」とか、子どもから遊びの発想があれば逃さずに反応。それはいいアイデアだね!!かっこいいね!!!と大袈裟なくらいがgoodです。あとはどんどん「袖のところから水が入らないように、ゴムで留めるのはどう?」「盾もあったほうがよさそうだよ」「(国語で習った)保護色って使えそうじゃない?緑で塗ろう」など、たくさんの自由な案が生まれます。大いに想像力、かつ創造力を膨らませていきましょう。これが図工の楽しいところです。


すべての支度を済ませ、外に出たら、大人怪人登場。せんとうふのうの条件は同じです。大戦開始の口上として、終わる時間、ルールを確認。さらに「この大戦が終わったらすぐにお風呂に行って身体を洗わなければ、君たちは一生背が伸びなくなるだろうワッハッハ!」など、世界観を壊さずに生活に戻れるような言葉でスケジュールを伝えておきます。


大人のちょっとした小芝居と、ちょっとした準備の成果で、部屋の中から外、そのあとのお風呂まで、スムーズに遊びを転回しながら生活に取り込むことができました。寝る前に、「今日は世界を守った!俺たちすごい!」「大人が遊んでくれたからよかった」「俺夏休みでいちばん楽しかったよ!」と、子どもたちが言ってくれました。あぁ、ぼくはそれだけで何もかもが報われる……。まぁ、案の定大人はヘロヘロになりますがね(笑)


少し余談を。「ちょっとした小芝居」「ちょっとした準備」と上記しましたが、その「ちょっと」がしたくてもできないのが児童養護施設の労働の現状です。職員さんたちはいつも疲れていて、仕事も多く、代わりもいない勤務体制。ちょっとした工夫をする前に、やらなければならないことが多すぎるのです。これでは大人にも子どもにも良いことはありません。労働環境の改善が早急に求められると強く感じました。小さなことかもしれないけれど、ぼくもコツコツ何かに取り組んで、役に立っていきたいです。