子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

反抗期の中学生が可愛く思えるかは、大人のユーモア次第

反抗期中の彼の紹介したいエピソード

中学3年生、健斗(たけと)くん。普段は大人もびっくりする程のリアリスト。反抗期真っ只中で、口癖は「俺以外はクズ」……一見近寄りがたい彼の、あまりにもロマンチックな一面を知り、たまらなくなったのでご紹介します。

 

頭脳派な彼は反発したいお年頃

大人にはとにかく反発したいお年頃で、目につくもの全てが彼の神経を逆撫でしていく。彼は背が高く、さらに常に機嫌が悪く見えるので、他の子からも少し距離を置かれているように見えます。反抗期真っ只中と言いましたがぼくとは気が合うらしく、下ネタから真面目な話まで、何でもかんでも話せる良い仲です。一緒にドラマ見て談笑したり、おやつを必ずひとつ「あげる」とくれて、そのまま隣で食べたりするような可愛らしさもあります。

健斗くんは一人で時間を過ごすことがとても上手です。

知識を詰め込むのが好きで、頭が良く、勉強の仕方を知っている中学生。例えば、本や漫画、小説やアニメまで、何でも手に取りそれを評価したり、敢えて簡単な絵本を読んで、「ここの言葉はこんなふうにもとれる。はるちゃんはどう思う?」と見解を聞きに来たり……時間の過ごし方が文学的で頭脳派。「国語の教員免許あるんでしょ?ちょっと教えて」と言われてしまってはぼくも頑張らざるを得ません、真剣な子どもに下手なこと言えん!絵本を真面目に教材研究して、ふたりで三時間語る日もありました。

そのとき、「小説とかドラマとか、人が作る物語には作者のメッセージがたくさん込められている」という結論が出たようで、満足そうに部屋に持っていきました。

少し冷や汗かいたけど、健斗くんがそんなイイ顔してくれるならまたやろう、とぼくは額を拭うのです。

中学生の可愛さはあやういところにあるのだ

その日の夜、ちびっこたちがテレビで録画した戦隊ものを見ているところに、反抗期健斗くんが現れました。ちびっこが「おお!がんばれヒーロー!」と盛り上がるなか、彼はボソッとこう言います。

「は?ダサ。見る意味ない」

おっと健斗くん、何もかもが敵のお時間ですね?

反抗期を嗜めるのはなぜだかぼくの出番。ぼくは言います。

え?健斗くんさっき「物語には作者のメッセージが込められてる」って言ってたよね?この番組からメッセージを受け取れてないなら、以前の君のが豊かで素敵だったんじゃない?

それを聞いた健斗くん、1拍おいて、ため息をつき、スッとぼくの隣に座ります。

そしてばつの悪そうな顔をして、「まぁ、主人公が前向きでいいんじゃない」とポツリ。

そうそう。それでこそ君だよ、メッセージを受け取れる器があるんだから、自分の品を下げる発言はしないほうがいい。

中学生の可愛さは、健斗くんのようなリアリストがロマンチックなことをいう、感じの、うーんと、うまく言えないけれど、あやういところにあるのだと感じる1日でした。