子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

小学生の言葉は宝物、教師の自分を好きにする

「せんせーといっしょだね」

校庭掃除の日の素敵な出来事

今日は学年をあげての校庭掃除日です。

ぼくの担任する4年生は、池掃除を任されました。うちの学校の池には、夏になると大輪の蓮の花が咲き誇ります。

薄桃色や真っ白な花弁が水面に浮いて、あちらこちらに真ん丸のつぼみ。

水のなかから咲く珍しい花を、子どもたちも興味深げに覗きこんでいました。

 

今日の主人公は信頼もあつい人気者

小学4年生の圭真(けいま)くんは、真面目でしっかりものの男の子。

漢字の宿題の字はいつも丁寧。

目上の人にはきちんと敬語を使い、自分の体操服をきっちり畳む。

「圭真に任せれば大丈夫」と、クラスの子からの信頼もあつい人気者。

少し引っ込み思案なところがあるので、みんなを引っ張るリーダーというよりは、副リーダーでサポートする力に優れているタイプ。

10歳とは思えないほど大人びたところと、3人兄弟の末っ子らしく甘えん坊なところが共存しています。

上にふたりお姉さんがいる影響か、同年代の男子よりも感受性が豊かで表現が女性的な面も。

「みんながしあわせになるといいな」

とか、

「かつやくできたのはみんなのおかげ」

とか、

とにかく表現ひとつひとつに、圭真の優しさが滲み出ます。

 

圭真くんはいわゆる「手のかからない子」なので、先生に特別かまってもらう経験がありませんでした。

しかし、ぼくは圭真の力を引き出そうと必死で関わり合ったので、圭真にとって「やたらかまってくる変わった先生」に映ったのでしょう。

何につけても、ハルせんせーハルせんせーと呼んでくれるようになりました。

 

そんなときに、池掃除がありました。

何を隠そう、ぼくは蓮の花が世界で一番好き。

そのことを子どもたちにもぽろっと伝えてありました。

蓮の花が好きな理由はたくさんあるのですが、きっかけはとある漫画です。

蓮はせんせーの好きな花なんだよ~、枯らさないように優しく掃除しようね~。

なんて話を、さらーっとしたと思います。

 

高学年と言えど、まだまだ小学校4年生です。

さくさく掃除が進むわけないことは分かっていました。

水場にいられることで楽しくなってしまう男子を嗜めながら、女の子とお花の話をしたり、池の中の藻?をキャーキャー取ったりして、少しずつ掃除は進んでいきました。

 

ふとした瞬間、ぼくのジャージの裾を引っ張る感覚がありました。

圭真くんです。

手に持ったバケツには、頑張って掃除をしたのであろう成果が入っていました。

圭真すごい!そんなに掃除できたんだね、ありがとう!

声をかけ、褒めると満足そうにニッコリ。

褒めてほしい気持ちは、大人でも子どもでも基本的に持っています。

手のかからない子どもこそ、見つけて褒めたいものです。

圭真はバケツを地面において、ねぇねぇ、とぼくを手招きしました。

なにかな?

「ハルせんせー、はすの花が一番すきなんだよね?」

そうだよ、覚えててくれたんだ。

「うん、ハルせんせーが言ってたから、ちゃんとはすを見てみたら、すごくきれいだったよ。ぼくも、今日から一番すきな花になった。せんせーといっしょだね」

な、なんて素敵なことを言うんだこの子は。

少し照れながら言う姿に、ハルせんせー大感動。

なんて眩しいんだとめまいがしたほどです。

圭真とおそろいなんてせんせーも嬉しい、幸せだよ。ありがとね。

子どものきれいな心は、大人の気持ちを浄化する作用があります。

圭真のおかげで、ぼくはもっと蓮の花がすきになったよ。

もちろん、圭真のこともだいすき!

君はどんな大人になるのか、とても楽しみだな。