子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

発達障害児や他学年との遊び方を探す小学生たちのお話②

「苦手があるのは当たり前やん」

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前回の続きです。

特別支援学級の6年生うーくんと、たくさんのお友達が、

みんなで楽しく遊ぶためにお互いを考える瞬間をどうぞ。

 

「うーくんおいていってる」

 

6年生男子龍樹(たつき)の言葉に、周りの注目が集まります。

学級委員や部長などを任される、典型的リーダータイプの男の子です。

学校全体でも有名人で、どの学年の子もみんな龍樹くんの名前を知っていました。

うーくんとは保育園から一緒らしく、彼のことを長く見てきたうちの一人でもあります。

ぼくも龍樹くんと委員会をやっていましたので、彼の言葉にうーくんを貶すものはないだろうと信用していました。

任せたのはやはり正解で、龍樹の意見にみんなが納得します。

「うーくんは俺らとやれることと、やれんことがあるけど、やれるかやれんかはうーくんが決めることじゃん。どうしたいか、うーくんに聞こう」

うーくんどうする?と龍樹。

その言葉を変わらずニコニコと聞いていたうーくんは、少し考える素振りを見せた後、

「たつきくんといっしょにやる」

と言いました。

「おっけー。じゃあルールは6年生のやつと一緒だけど、俺とうーくんは2人でチームね。俺が捕まってもうーくんが捕まってもどっちも鬼ね」

龍樹の意見に、みんなは快くオッケー!と笑顔を見せます。

うーくんはニコニコ。

みんなもニコニコ。

ちぃちゃい子も大きい子も交ざりに交ざって、仲良く鬼ごっこが始まりました。


龍樹くんは足が速いのでビュンビュン走り回り、その後ろをうーくんはてとてと着いていきます。

高学年はうーくんに分からないくらいの手加減で彼を追いかけ、

みんなは「うーくんがんばれ!」と声援を送り、

龍樹は「うーくんを守る!」と鬼に立ちはだかっていって捕まる。

校庭は笑い声に包まれます。

 

「龍樹とうーくんは二人で一人だから、龍樹が捕まったならうーくんも鬼だよ!」

「せっかくうーくん逃げてたのにー!(笑)」

「たつきくんちゃんと逃げてー!(笑)」

周りをわっと沸かせて、わざとおどけてみせる龍樹は

「うーくんすまん捕まった!次は鬼、行こう!」

と、うーくんの手を引いて鬼ごっこを再開しました。

 

ルールは、みんなが楽しく遊ぶために必要なものです。

ですが、平等と公平は違うもの。

考える時間が大人にも必要です。

でも子どもたちは、こうして日常の中で自然と「違い」を理解しあい、許容しあって成長しているのですね。

教えようと思って目指した教師の道ですが、子どもたちには毎日教えられてばかりです。


1年生の女の子が駆けてきて、きゅっと手を握ってきます。

「ハルせんせー次は鬼ね!」

それをどこかから聞いていたのであろう龍樹が、おどけた声で叫びました。

「次ハルせんせーが鬼!大人だから片足でケンケンして走らないとダメね!」

みんなは笑顔でオッケー!と賛成。

うーくんもオッケー!って……ちょ、ちょっと待ってよ大人のハンデ結構厳しくない?