子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

児童養護施設にて小学校の大人の責任と配慮とは?

「大人の結論は、あくまで大人の意見として」

今日は皆様にも考えていただきたいことがあり、記事にします。

児童養護施設や学校で、大人ができる最大の配慮とは何なのか、ぜひ1度胸の中で考えてみてください。そしてぼくに聞かせていただけたらとっても有り難いです。

 

児童養護施設で子どもたちからおたよりを受けとりました。

小学校から、「買い物調査をするから、おうちのレシートを1週間分持ってきてね。」という連絡です。

 

社会の授業で使うのだそうで、ぼく自身が小学生のとき、授業に使った覚えもありました。小学校実習のときも、子どもたちの買い物体験に着いていった覚えもあります。

 

レシートの研究は、子どもたちの消費者としての生活にとって、非常に勉強になります。消費税はここに書いてあるのか。思ったよりお魚は高いんだなぁ。うちはおやつを買うけど、買わないおうちもあるんだ……など、レシートそのものから気づけることもありますし、将来自分が家庭を持ったり一人立ちしたりするときの出費目安にもなります。1週間にたくさんの食材を買い込んで料理をしてくれる親御さんに、感謝ができるなんて子がいたらさらに素晴らしいですね。

 

ここでぼくたち大人は、児童養護施設の子どもたちについて考えるべきことがあります。自分の生活域である児童養護施設のレシートを持って行かせるか、職員や地域の手を借りて一般家庭のレシートを別に用意するかという問題です。これは職員のなかで議論になりました。

 

児童養護施設はそれはもう大人数なので、一般家庭と比べると何十倍もの食材を購入しています。1食のお肉だけで5000円なんてこともざらにあります。毎日たくさんの食材が業者さんから届き、各寮の大きな大きな冷蔵庫に分配される。児童養護施設の子は、それが日常です。少なくともぼくの所では、職員とスーパーに行くことは極稀ですし、行ったとしても買うのは小さな日用品か薬局のような所なので、普段自分たちが食べている食材を買いにいく機会は滅多にありません。

 

しかし、児童養護施設にいる子どもたちも、将来は一般的な家庭を築く可能性の方が高い。一般的な家庭を勉強させる方が、将来役立つのではないか。職員で用意するか。

いやいや、自分の生活している環境を知ることも大切な勉強だから、児童養護施設のレシートを持たせてもいいんじゃない?

 

でも一般家庭のレシートと見た目も中身も明らかに違う。クラスで何か言われて、嫌な思いをするのでは?一般家庭のレシートを用意するべき。

 

確かに一般家庭を知るのは大切だけど、今いる環境を否定するようなことはしたくない。胸を張って「人と違う」と言っていける子に育ってほしい。児童養護施設のレシートを持たせようよ。

様々な観点から様々な意見が交わされました。職員が出した結論として、「児童養護施設のレシートを持たせる」に決まりました。担任の先生が「人との違い」をポジティブに捉えてくれる方なので、今回もありのままを発表したときにクラスで嫌な思いをしないよう、配慮があるのではないかというのも理由のひとつでした。

 

大人の結論は出たのですが、やはり子どもの気持ちが最優先なので、最終的に子どもたち自身がどちらのレシートを持っていくか決められることになりました。

 

ぼくはこの提案に賛成でした。なぜなら、子育てにおいて、大人がとある事象の良い点と悪い点を双方伝え、どちらも考えた上で子どもが選ぶ形が理想だと感じているからです。もちろん、子どもが選んだ先で躓いたときのことは大人が保険として考えておくのが良いでしょう。子どもだけでは考えつかない良い面と悪い面を大人が提示して見せ、「そういうこともある」と子どもに事前知識を与える。その知識を持って子ども自身で行き先を決める。大人も事前に考えることで、行き先で困った子どもに助言助力ができる。

 

何か特別なことをするときは特に、「事前に大人が考えて、決定は子どもにさせる」ことをぼくは教育で大切にしています。しかし行きすぎてはいけません。嬉しい驚きや、楽しいの始まりを奪うことはしないのがコツです。映画のネタバレのような無粋な真似は、子ども相手にももちろんNG。子どもがもしかしたら嫌な思いをするかもしれない、この先危険にさらされるかもしれない、でも必ずしも悪いことだけが起こるとは限らないし失敗がこの子の学びにもなる……というときに、注意換気をする意味で使っています。匙加減は難しいですが、大人にできる精一杯の配慮であると思うのです。

これには賛否両論あるかと思いますが、皆さんはどうですか?大人だけで子どもの行き先を決めてしまってはいませんか?また、事前知識もなしに、子どもを社会の渦のなかに放り込んでしまってはいませんか?

 

子どもを守れるのは大人であるぼくたちです。子どもが自分を守れる力を育ててあげられるのも、ぼくたち大人です。子どもの行き先を1歩先に見ることを意識してみるのもいかがでしょうか。