子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

児童養護施設にて、小学生に教えたい仲直りと次の約束①

「なかなおりしたから、またあそべるね」

子どもが社会的に不適応な行動を起こしたとき、大人は叱る義務があるとぼくは思っています。

子どもは社会のルールを「まだ知らないだけ」なので、既知の大人がきちんと教えていく必要があると考えます。

突然堅いことを言い始めましたが、今回もいつも通り子どもとのやりとりをご紹介しますよ~。

 

今日は太陽さんさん良いお天気。

学校はお休みだし、土日の多目にある宿題も終わったくらいの時間です。

児童養護施設では、たくさんの子どもたちが中庭に出て遊んでいます。

ぼくも子どもに遊んでもらおうと、庭に出ることにしました。


ぼくの姿を見るやいなや、ぴゅーんっと飛んできたのは小学3年生の太成(たいせい)くん。

その後をてくてく駆けてくるのが、お馴染みの深月(みづき)くんでした。

2人は同じ学年で、ゲーム好きという趣味も合って特別に仲良しです。

「ハルくんオニごっこやるでしょ?」

「ハルくんオニでも、おれは天才だから、どこへでもにげきれる。地球のうらがわまで3びょうで いける」

どっちがどっちの発言かは火を見るより明らかですが、上が太成、下が深月です。

深月は天才だからな!そりゃ勝てんわ!でも太成に大人の本気みせるし!と大袈裟に意気込んで鬼ごっこに参加。

他の子どもたちに「いーれーて!」と声をかけて、返事をもらってから参加するのはぼくのこだわり。

子どものルールにのっとって。

子どもたちと同じように。

見本になって。

大人だから許されることなんて、子どもの前では見せるべきでないのです。

 

鬼ごっこは滞りなく行われ、よくある子どもたちによる大人総攻撃に遭い、ヘロヘロになっていたときにトラブルが。

「ハルくん!深月が石投げた!」

太成が目に涙を浮かべて駆け寄ってきました。

やってしまった!

深月くんから目を離したぼくの責任だ!

太成の様子を確認すると、幸い当たった足には何の跡もなく、痛くないけどびっくりしたとべそをかいていました。

ぼくは内心全力でほっ……太成に怪我がなくてよかった~!

でもこれは厳しい指導をしなくては。

太成を抱き上げて、深月くんを呼びます。


「深月は太成に石を投げたの?」

ばつの悪そうな表情を浮かべる深月に、まずは事実の確認です。

トラブルがあったとき、片方の話だけを鵜呑みにして頭ごなしに決めつけるのは愚かです。

太成はぼくにしがみついて、ぐすぐす言っています。

深月はそれをちらっと見てから答えました。

「……なげた」

「投げちゃったか。ちゃんと正直に話せたね。でも、それは良いことかな?」

嘘をつける場面で正直に話せたことを認めます。

しかし、「正直に話せて偉いね」とは言いません。

太成に加害しているわけですから、褒められる場面ではない。

でも、認められることで次を話してくれやすくなります。

さらに、自分のしたことの善悪がわかっているか確認。

何となく楽しくてやった、良かれと思ってやったなど、子どもの行動には加害の意識がないこともあります。

深月は答えます。

「わるいこと」

「うん、ハルくんもそう思うよ。石を投げることは、悪いことだね。なんで深月は石を投げちゃったの?」

「太成においかけられて、にげたかったから」

そうかぁ。

必死に逃げて、鬼から逃れたい防衛本能で投げてしまったのね。

しょんぼりしている姿を見るに、「あかんかった」という意識はきちんとあるようで。

よかった、深月くん反省できるね。

と思ったハルせんせーのお話はまだ続きます。

次回へ続く!

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