子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

小学生兄弟、年齢差に垣間見えるちょっといい話

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「あのカッコいいの、ぼくのにいちゃんだよ」

小学校では、6歳~12歳の幅広い年齢の子どもたちが学んでいます。

勉強はもちろん、歳上、歳下の年齢差を超えて活動を共にすることで、人として大切な何かをお互いが学んでいるのです。

 

小学6年生のカツキくんは、小学1年生に弟がいます。

弟の名前はナツキくん、お兄ちゃんが大好きな可愛い子です。

お兄ちゃんのカツキは面倒見がよく、下級生にとても人気がありました。

サッカーが上手で、休み時間に校庭でボールを蹴る姿はみんなの憧れでした。

足も早く、運動会の学年別リレーではアンカーを努め、たくさんの声援をあびて一躍有名に。

「カツキくんと同じ委員会になりたい!」という下級生が、人気のない美化委員に溢れたこともあります。

 

そんな素敵なお兄ちゃんの一番のファンは、なんと言っても弟のナツキです。

この弟の面白いところは、絶対的な自信があること。

お兄ちゃんは人気者だけれど、お兄ちゃんが一番好きなのはぼくだから!と言わんばかりの余裕っぷりです。

ヤキモチを妬かず、むしろお兄ちゃんのステキポイントをどんどんプレゼンしてくる始末。

「おにいちゃんは ぼくにだけ あめを くれる」

「おにいちゃんはね、いえで いつも おかあさんの おてつだい してるんだよ、ぼくは しないけど」

「じぶんが テレビ みたいときも、ぼくの めんどう ちゃんと みてくれる」

「さくら(※犬)も おにいちゃんが いちばんすき」

「ハルせんせーも うちの カッコいいおにいちゃんのこと すきでしょ?」

「せかいいち カッコいいのは おにいちゃんしか いない」

「あのカッコいいの、ぼくのにいちゃん!」


こんな感じで、お兄ちゃんのことが大好きで可愛い弟くんです。

 

カツキはカツキで、本当によく弟の面倒を見るできる兄貴です。

一斉下校のときも、1年生が困っているとさっと駆けつけて解決している姿をよく見ます。

(※そのたびにナツキはぼくのにいちゃんカッコいいやろ?ってドヤ顔をする)

あるとき、一斉下校の待ち時間に四つ葉のクローバーを見つけた女の子がいました。

たくさん見つかったようで、同級生に配っています。それをみたナツキは、小さい声で

「ぼくもほしい」

と言いました。それを聞いたカツキ兄ちゃん、

スッと女の子のところに行って、


「それ、俺にもくれない?」


とひとつ、四つ葉のクローバーをもらってきたのです。

女の子にはちゃんと「さんきゅー」とお礼を言って、クローバーはそのままナツキに渡して、ほら、と。

ナツキは満足気に

「にいちゃんありがと!」

と受け取って。

流れるように手を繋ぎ直したふたりは、待機列にきちんと戻るのであった……

一部始終を見ていたハルせんせー、大感激。

カツキ兄ちゃんが、四つ葉のクローバーを

「弟のナツキに」

じゃなくて

「俺にくれ」

と言って、

自分が女の子にお礼を言えるように配慮していたことに涙腺が緩んでしまいました。

ナツキ、あんたの兄ちゃん世界一カッコいいよ。


年齢差を通じて感じる心の成長具合は、小学校のせんせーだからこそ得られ、出逢える唯一無二の瞬間です。

小学校教諭として、子どもに学ばせてもらう項目であると強く感じました。

小さいものを守る心は、いつの世でもカッコいい。

カツキ、自慢のお兄ちゃんに学ぶ弟は、お前に似て絶対イイ男になるぞ。

お前もそのままいてくれな。