子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

児童養護施設職員としてぼくがしている子どもへの接し方や配慮、言葉選び

自己流!児童養護施設の子どもたちへの関わり方!

児童養護施設の日常は忙しいものですが、

子どもたちとの言語コミュニケーションは意識的に大切にしています。

愛着や信頼を築くと共に、子どもたちのことを知るには、言葉が必要不可欠だからです。

心配事はないか、楽しかったことは何かなどのやりとりや、冗談を言い合ったりテレビにコメントしながら談笑したり……

塾や学校の教師と生徒、というより、やはり一般家庭にある会話が主ですね。

 

 

よくある質問であり、ぼくも就職するまで心配だったことなのですが、

「児童養護施設にはNGワードが多すぎて、何を話したらよいかわからなさそう」

というものがあります。

親の話、生まれの話、生い立ちなんかは地雷かもしれないから話せない。

もしや誕生日や血液型についても話してはダメなのかも!?など。

いやいや、実際のところそうでもありません。

ふつーに、どの話題もあります。

これから実習に行かれる学生さんや就職をお考えの方、その点はご安心ください。

 

 

しかし、気を遣うというよりは「慮る」という意味での言葉選びは、他の職よりも大変かもしれません。

ぼくがしている言葉選びのポイントを書き留めておきます。

 

①施設に「帰るよ」と言わず、「戻るよ」と言う

実は何年も施設にいるけれど、帰る場所は親御さんのところだ、と考えている子どももいます。

帰るよ、と手を引かれて施設に行くことに、抵抗を示す子どもも少なからずいます。

それを見てからは、ぼくは違和感のない「戻る」を使うことにしています。

帰ると自分で言うのと、人から言われるのは違ったりもしますし、ぼくは敢えて戻るを使います。

「5時になったらお部屋戻るよ~」とか、「今日雨だから早く戻っておいでね」とかね。

 ②母の日、学校行事など、直接的なブルーデイへの配慮

学校では当たり前のようにある家庭参加型のイベント、ぼくは一等配慮をします。

小学校教諭時代の経験から、こういうときは保護者の皆さんも巻き込みたい、この宿題は家庭で協力してほしい、などの気持ちを理解しています。

ですから、逆に「この授業内容は、もしかしたら家庭協力型かもしれない」と予想が立てられるわけです。

図工の持ち物に、突然「絵の具」とあったとします。

時期は6月、そろそろ父の日。

もしかして父親の絵を描く時間なのかもしれない。

さらには、その絵に手紙をつけて渡そう、などという宿題が出るかもしれない。

これが予想できれば、父のいない子どもへの配慮が先回りしてできるのです。

具体的には予め

“学校でなんか書かされるならさー、ぼくのこと描いてくれると嬉しいな~”

など、冗談めかして伝えておくんですね。

すると子どもは

「ハルくんが描いてほしいって言うから描いてあげた!」

と描きやすいようで。

父の日のプレゼントを宛のない人に描く切なさや、本当の父親に描いていいのか迷ったときのやるせなさなどを回避できるのでしょう。

真剣に伝えずに、会話のなかでヘラーっと伝えるのがコツですかね。

本当の父親に描きたいときは、そっちを選べるくらいのフランクさで。

重荷になっては本末転倒です。

また、授業参観のときは変に目立たないよう、子どもの同級生の親御さんと同年代の職員が見に行くようにする等の配慮をしています。

若い職員が多いので、若い職員+年代の合う事務さんなど工夫しています。

 ③家庭感を守るため、職員同士の業務連絡は職員室でのみ

これは思い付くことだと思います。

子どもにとっては、家であり家でない微妙な位置である施設を、職員は家のように迎え入れようという気持ちでしている配慮です。

交代や退勤のときに「お疲れさま」と言わない。

勤務感の少ない言葉を選びます。

おはよう、こんにちはで出勤。

行ってきます、おやすみなさいで退勤。

手近なところで言えば、家事代わるね~でもいいのです。

休憩の時間も、「休憩もらいます!」とは言わない。

ちょっと大人の部屋に用事あるから~とか、ハルくん1時間お昼寝してくる……でいいわけです。

うちの施設は特殊なのかもしれないけど、結構そこのところ気にしてます。

勤務感の軽減。

ここポイント。

「待機」はお留守番、

「出張」はおでかけ、

「宿直」は今日のお泊まり、

「書類」は施設長へのお手紙と言っています。


すべての配慮は強制ではなく、みんなが安心安全で暮らせるよう、言葉の角をとろうというあたたかな気持ちから為されています。

職員だからこれ言っちゃいけない!という教育はされません。

その場にいけば、子どもの顔を見れば、自ずと磨かれる感性です。

あまり気負わず、誠実な心で子どもと接してくださいね。