子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

君の自由な背中を守りたいぼくのエゴを。~児童養護施設から~

「いつも背中を見守っているから、君の未来を見せてくれ」

子どもたちは、いつも大人に新しく懐かしい世界を見せてくれます。

鮮やかに、彩った景色を、褪せることを知らずに。

その小さな身体と心で目一杯命を燃やし、ちっぽけな大人でしかないぼくの存在を豊かにしてくれる。

子どもたちが生きているのは決してぼくのためではないけれど、ぼくが生きるための力を確実に与えてくれています。

 

 児童養護施設の子どもを連れて、よく近所を散歩する。

毎日元気に、よく食べ、よく遊び、よく笑う。ぼくの天使たち。

一対一で手を繋いでゆっくり歩く。

 

突然、

ぼくをその場に残して駆けていく背中。

かと思うと、とたんしゃがみこんで道端の花を見る。きいろー、という明るいが聞こえ、ぼくは大きな声でほんとだねー!と返す。

声に対する返事はない。

しかし、きちんと後ろにまだぼくがいることを確認し、安心した様子でその先へまた駆けていく。

 

そろそろ交差点の曲がり角だ。そこを曲がると、小さく自由な背中が見えなくなる。

不安にかられる。

車通りはないが、何が危険かわからない世の中だ。

 

少し足を速めるぼく。

汗ばむ首筋、強まる足取り。

 

しかし、

自由な背中は、ガードレールにもたれ掛かってぼくを待っていた。

目がはたと合い、お互いが無意識の息をつくのがわかった。

 

あぁ、この子は。

当たり前に、ぼくがいることを享受し安心を得ている。

その無意識の事実がどんなにぼくを力付けるのか、君は知らない。

その無意識の事実がどんなにぼくを奮い立たせるか、君は知らないだろう。

 

この世に生まれた君を、ただ育み慈しむことを許されている。

なんて尊いの。なんて尊いの。

 

ぼくと君が此処で出会えたことが、君にとってあたたかいものになるといいなぁ。

ぼくと君が此処で出会えたことに、何か意味があると信じている。

愛を押し付けたり、突然奪い取ったり、そんなことはしないと約束するよ。

ただ、君の自由を守るために生きていくことを許してほしい。

 

自由な背中を守るために、後ろを振り返ればいつもそこに居る。

自由な背中を押すのも、ぼくがするよ。

自由な背中を守るから、君はいつでも自由に、未来へ駆けていって。

 

生きづらい世の中だから、ぼくのこの気持ちが要らない風を避けるマントになればいい。

時にその布は風を受けてはためいて、君の大きな後ろ楯になればいい。

 

ぼくがいることが、君たちの守りなるように、ぼくはこの先を生きていく。

出会った小さな子どもたちにも、大人のなかにいる子どもたちにも、ぼくの言葉と存在が守りとなるような、そんな大人に。

 

ぼくは運よく、せっかく大人になったんだから。

守られるべき愛しい君を守るよ。