子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

とある子どもの児童養護施設の過ごし方を子どもの目線で紹介します。

「塾から帰ってきてご飯が暖められてるとなんか嬉しい」

皆さんの想像する「児童養護施設の日常」とはどういうものでしょうか。牢獄のように管理され、子どもの自由は許されない。大人は監視員のようにいつも目を光らせていて、あちこちで怒鳴り声をあげている……なんてことは全くありません。まだまだ偏見や誤解の多い児童養護施設ですが、少しでも本当のことが伝わるようにちょっと記事にしてみます第2段。以前、職員としての1日を綴りました。

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 今回は子どもの目線で日々を振り返ってみたいと考えています。どうぞお付き合いください。

 

今回のモデルは小学校6年生の紀一(きいち)くん。周りに比べると大人しいですが、そんなワイワイしている周りを最終的に取りまとめる力があります。勉強熱心ですが、お片付けが苦手でノートやら本やらが部屋に散乱。恐らく思考が身体に追い付かないほど早い型の天才だよね。この1日のスケジュールは、プライバシー保護のため、少し編集しています。生活の流れはほぼ変わらないので読んで感じていただければ幸い。

 

 
【6:00 起床】
目覚ましでパッと起床。スポーツマンの希一は、身体が資本!と朝のストレッチもすぐ済ませる。
【6:10 着替え・朝御飯】
前日に用意しておいた服に着替え、朝ごはんを食べる。希一は好き嫌いが多いので、食べられないものが出ると時間がかかる。時間はかかるけど最後までちゃんと食べる。
【6:30~ ちびっこの手伝い】
自分の用意を済ませた希一は、下級生の支度を手伝ってくれる。体操服を持たせたり、帽子を探してくれたり……希一は下級生にとって憧れのお兄さんである。希一もそれをわかっていて、誇りにしている。相思相愛。

【7:00頃  登校】
班を引き連れて登校。班長は大変だ。施設の小学生はまとまってとある地点まで行くので大人の手を離れるが、離れてからも希一はよく面倒を見てくれると聞く。


【16:00  帰寮】
部活を引退してからはこの時間に帰寮。6年生かつ希一には信用があるので、宿題はひとりで進めることを許されている。忘れ物は多く、片付けも苦手なため時間割りだけは見せにくる。そのあとおやつとゲームを持って出掛ける。

【16:30 友達の家に】
友達のうちに遊びに行く。自転車をぶっぱなして行く。ゲームの通信をしたいという内容で直前に話があり、希一は生活態度が真面目で誠実なので許可された。門限の18:00には帰ってくることを約束し、遊びに行く。

【18:00前 帰寮】
きちんと予定通り帰寮。そのあと職員の作ったおにぎりを持って塾に行く。

【18:10  塾に出発】
職員の送迎で近所の学習塾へ。うちの児童養護施設において塾は希望制で、誰でも望めば生活リズムを崩さない条件で通うことができる。

【20:10頃  帰寮】
なんだかヘロヘロになって帰寮する。皆はご飯を食べ終わっているので一人で食べることになるが、そばに職員が着くようにしている。一人のご飯は寂しいよね。希一は「帰ってきてご飯があっためられてるとなんか嬉しいよね」と笑う。このくらいのことはしてあげたい。勉強お疲れ様。

【20:30 入浴】
風呂といっても希一はシャワー派らしい。カラスの行水。めっちゃすぐ出てくる。

【21:00 就寝】
「今日は塾あって大変だったー!」とぼやきながらも就寝。消灯。部屋に呼ばれるときは漫画の話や好きな子の話、今日あった嫌なことを聞く。


希一はいつも目立たないが、それは希一がきちんと自分の生活を管理しているから。大人の力を借りる、ということも、希一はスケジュールに折り込み済みです。とても素晴らしい。嘘はつかない上に高学年にしてはうまく甘えられるので、信用は厚く大人にも子どもにも隔てなく好かれています。希一はここに来てまだ日が浅いですが、ぼくたちの中でも「守りたい」気持ちが充分に熟しています。

おわかりいただけたでしょうか?前回の竜巳に比べると、忙しい平日を送っていますよね。習い事や家庭交流などが入ってくると、もっと忙しい子もいます。敢えて子どもかわ休まる時間を確保するのも、またぼくたちの仕事なのかもしれません。