子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

児童養護施設職員の特別な1日 ~小学生のイタズラ~

「ハルくんの顔のかたちとれたよ!」

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児童養護施設という場所は、皆さんにとってあまり馴染みがない施設であると思います。
経済的、身体的、精神的な事情や、育児放棄(ネグレクト)、性的虐待、心身虐待などで、家族と一緒に住むことが難しいと判断された子どもたちが過ごす場所です。
「共に暮らせない」という判断を下すのは児童相談所であったり、親御さん自らのSOSであったり。親の顔も判らず、いわゆる捨て子の状態で発見された棄児であったりします。

 

ぼくは児童養護施設で共に過ごす子どもたちのことを、授かり物だと考えています。ぼくにとって子どもたちは、愛しい愛しい天使であって、一緒にイタズラをする悪友であって、愛や学びを与え合う「共存」の関係です。

むしろ子どもたちに生かしてもらっているぼくは、子どもに日々助けられ、じわじわと育てられながら、これまで職員をやって来れているのです。

 
児童養護施設のどこにでもある冬の早朝。
吐息も凍るほどのひやっとした空気に、ぼくは肩を縮ませて廊下を歩いていました。

 

お手洗いを済ませ、部屋に戻ろうとした時です。
小学3年生の瑛人(えいと)くんが、そーっと起き出して来るのが見えました。

瑛人の部屋は職員の宿直室から近く、早起きをした彼は、寝ているぼくらによくイタズラをしに来ます。
これがね!めっちゃワルなのこの子!
職員はほとんどが瑛人の寝起きドッキリの洗礼を受けています。

 

怒る人も居るけど、ぼくは瑛人のイタズラがちょっと楽しみ。
今日は何をしてくれるのかな?
度々行われる彼の悪行……極悪なドッキリを一部をご紹介します!

 

  • 職員の靴下を全て裏返しにする
  • 職員の布団の回りにレゴをひたすら並べて囲む
  • 職員が朝着替えるために枕元に置いていた着替えを、瑛人がすでに着ている
  • 寝ている職員の眉間に剥いたミカンを一粒置く
  • 目覚まし時計を廊下に出す(これは他の子にも迷惑がかかるのでしっかり叱られた)
  • 男性職員の布団のなかに自分のパンツを詰め込む(これも叱られた)

 うっわほんともう……瑛人……可愛いなチクショウ!!!いやもうね、ヤンキーでしょ?極悪なんだけどね。
可愛いなチクショウ!!!許す!!!!

しっかし毎回発想が天下一品だなぁと感心する。皆に迷惑がかかるようなものは確かに困るんだけど、次は何をやってくれるんだろうかと毎日ワクワクしてしまう自分。ううっ、くやしい!(笑)

 

今日の寝起きドッキリイタズラも最高に極悪でしたよ。
外や廊下は寒いですが、個室は暖房がついているので暖かく、窓には結露がびっしりついてたんです。その窓に大きな作品が描かれていましてね。

 

なんかプロレスラーのマスクみたいな、わーっと言ってるような顔の周りに、こんな文字が。

 

「ハルくんの さけび!!!!ちょうさむいぜ!」

え?なんか、ムンクの叫び的な??
ちょうさむいぜ!って何それぼくの言葉ってこと!?

瑛人はその窓を見るぼくを見てニンマリ。
「ハルくんの顔のかたちとれてるね!さむいって言ってるやん!上着着なよ!」

 

……ってオイ!瑛人が描いたんやろーが!!!(笑)

何気ない朝にあるこのイタズラドッキリ、瑛人はぼくらの特別なエンターテイナーです。
そのうち瑛人にイタズラ返しをしてやるんだ……!