子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

 発達障害診断の有無に関係なく、子どもの社会は大人の教科書

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「クラスの中心というか、繋ぎになってくれる大切な人材」

ぼくは小学校の教師だった過去があります。

普通級の中学年の担任を任されていましたが、そのクラスには多くの発達障害児が在籍していました。

支援級の子もいましたが、過半数以上が今までずーっと普通級在籍。

しかしその子たちはみんなと同じ適応はできず、教師にとっては扱いづらい、子どもにとっても先生は怖くて嫌い、みたいな。職員室でも、いわゆる「問題児」として扱われていました。

年度始まりにクラス発表があったとき、「このクラス大変よ、負けないでね」と念を押される始末です。

えぇー……どゆこと?

 

ぼくは疑問を感じました。

みんなと違うのが当たり前なのに、同じにできなかったからといって問題児扱いか……。大人に力がなさすぎるんとちゃうんか……。子どもが適応できないのを、子どものせいにするんじゃないよー、あんたら大人だろう……。

大変なのは子どものせいなんか?そりゃーちょいとおかしかろう?

 ぼくと教室のみんなとの約束

ぼくは担任として黒板の前に立ったとき、クラスのみんなにお願いと約束をしました。

「できることは、認めあう」

「苦手なことは、助け合う」

「言葉を、よく考える」

うえの3つは、ぼくと、みんなの約束です。

せんせーも絶対守るから、みんなにもできれば守ってほしい。守れば、せんせーもみんなを守ることができます、と話しました。

次に、

「みんな違うのが当たり前」

という気持ちを、みんなにわかってほしいと、お願いしました。

誰もが同じじゃないから、自分とは違う、と認めていこう。でも、違うことは敵ではないから、そういう考えもあるんだな、と知っていこう。

そう話しました。

子どもたちは、そのキラキラした瞳でじっとこちらを見ていました。

みんなが、見ていました。

このとき、この子たちは大丈夫だと確信しました。

今、先生の話を黙って聞いてほしいと、ぼくはお願いしていないよね。

でも、皆が自分の意思で、静かに聞いていてくれたお陰で、先生は嬉しかった。

ありがとう、とても助かったよ、自然とせんせーの気持ちを考えて静かにしてくれるなんて、みんなには素敵な力があるんだね、と伝えました。

ある子は「当たり前やん」と笑い、ある子は「喋ってよかったのかよ!」と少しおちゃらけました。

みんなが、つられて笑いました。

この中には、発達障害を抱えていたり、愛着障害を抱えていたり、そうでなくとも悩みを胸に抱えている子がいるのです。

でも、みんな、ぼくのお願いを聞いてくれる。真摯に、向き合って、周りと笑いあえる。ぼくは、何に変えてもこの子たちを守ると決めました。

子どもたちには障害も診断もなにも関係ない

その後、授業でもワイワイ楽しい時間を過ごせることが多かったです。

誰かが間違えても、「やり方おしえてやろーか?」と誰かが声をかける、いいクラスでした。

喧嘩があったら、教師を交えても子ども主体で解決できる、いいクラスでした。

その繋ぎとなる位置に、グレーゾーンや発達障害の子どもが必ずいました。

ところ構わず声をあげてくれるADHD男の子のおかげで、場が思考モードになり一体感が出ることが多くありました。

自閉症グレーゾーンの男の子が、勇気をふりしぼって発言してくれたおかげで、クラス全体で大きな拍手が起こることもありました。

いつも忘れ物をしてしまう女の子のために、皆が予備を持ってきてくれたり、片付けの苦手な男の子の周りに、「○○くんお片付けボックス」というその子専用の段ボール箱が用意されたこともありました。

外国から引っ越してきて間もないフィリピンの女の子に、教科書にふりがなを振ってくれる子がいました。

大きな音と怒鳴り声に泣いてしまう女の子のために、その子に話すときはゆっくりにしよう、と提案してくれた子がいました。

図工の時間に、全員の机に寄っていって「うま!」「この色きれい!」と褒め歩き回るADHDの子がいました。

給食の時間、トマトを食べるのが苦手な男の子のために、「せーので一緒に食べよう!」と声をかける女の子がいました。

ぼくのために、誕生会を企画してくれました。そのときはきちんと、支援級の子も企画側に参加してくれていました。クラスのなかの誰かが、誘ってくれたんだと思います。


障害も、なにも関係なく、助け合う、共存する子どもたちに、ぼくは毎日ありがとうと言いました。

教えてくれてありがとう。

素敵な力を、見せてくれてありがとう。

 

ぼくの大切な子どもたち、自分の力を、大人に教えてあげてください。

ハルせんせーからのお願いです。