「ちょっとした誤解と偏見をちょっとずつ解いていきたい」
児童養護施設。
皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
児童養護について、なぜか義務教育では詳しく習えません。
知ろうとしなければ知ることが難儀なのに、物語の題材としてよく扱われる児童養護施設。
その物語で皆さんに与えてしまっている誤解と偏見を解いていこうと思います。
今回は、児童養護施設にてぼくが「子どもにとって不自由過ぎません??」と感じることをつらつらと。
児童養護施設の子どもって、厳しい管理の元で生活を送っているの?
そうですね、厳しいと思います。
でもそれは、体罰や懲罰、労働なんかの厳しさではなく、
「自由が少ない」という意味でのものであると感じます。
例えば、自室への食物の持ち込みは禁止です。
門限も決まっていて、大体18:00。
それを破ると、職員からこっぴどく叱られたのちに施設長からもキビシーくお叱りをうけます。
欲しいものは職員に相談してから買う。
買ったものはレシートを必ず見せる。
そんな感じで、お小遣いすら不自由な使い道をしなければなりません。
しかもお財布は基本的に職員室管理です。
遊びにいくにも、外出申請を書かねばなりません。
ケータイやスマホは高校生になるまで禁止。
高校生になってもフィルターをかけた後、夜は回収です。
ウォークマン、iPadなど、音楽の聞ける電子機器も夜には回収。
夜中音楽聞きたいのにねー!
音楽くらいいいのでは?と思って会議でかけあっているけど、どうにもお偉い方々は頭が堅いんだ。
もうちょい粘るよハルくんは。
PSP、DSなどのゲーム機も職員室管理で、職員に申告しなければ出してもらえませんねぇ。
時間制限があり、持ち時間が過ぎたら回収です。
パソコンも、自分のものは持ち込み禁止です。
施設のパソコンを使って、職員監視のもと時間制限付きで使用します。
しかも前日までに予約がいるんです。面倒ですよねぇ。
この辺の不自由の背景には、「高価なものの管理義務」というのがあります。
職員は、こどもの持ち物を把握し、不足がないか、過度ではないかを調べる業務があります。
児童養護施設で無くしものをすると、まず戻ってきません。
記名がないものはもう絶望的です。
なぜなら、それほどたくさんの子どもたちの持ち物がそこかしこに溢れているからです。
小さい子なんかは、面白いものがあったら自分の懐に入れてしまうことも。
「落ちてたものは、危ないものかもしれないから大人に渡してね」
という教えはあるのですが、それは好奇心や「ほしい!」の気持ちに負けてしまいますよねぇ。
児童養護施設は大人の目が多い分窮屈かもしれない
児童養護施設職員は、子どもたちを全員で守れるように団結しています。
誰を頼っても安心できることが理想です。
そして、2歳のおちびさんから18歳のお兄さんまで、全員が安心して暮らせるルールが必要なのです。
めちゃめちゃ不便!不自由!と思いますが、これは仕方ないことなのだと割りきることも必要かもしれません。
でも、我慢はしなくていいよ。
「これやりたいから、やるね!!」
って、申告してやっちゃえ!(笑)
ぼくはこそこそやるより、潔くて好きだ。
やりたいからやるね!って、報告したら勝ちみたいなところもある、うちの施設は(笑)
不自由な規則は多いけれど、身体の安全とたくさんの食事、きれいな寝床は確実にあるからね。
ぼくのとこおいでね。