子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

謎の倦怠感、頭痛腹痛に効く特効薬?治療+改善+対策が同時に可能なたったひとつの手段

f:id:harusensei:20200223185135j:plain


「手当てをしましょう、あいをこめて」

自分では理由のわからない痛みを訴える子どもたち

ぼくの仕事は、児童養護施設の職員です。

何らかの理由で施設に来たたくさんの子どもたちと、生きる時間を共にしています。

 


ここで過ごす子どもたちは特に敏感で、しばしば痛みを訴えます。


おなかいたい

あたまいたい

あしがいたい

みみがいたい

 

それはストレスからくる神経痛的な痛みであったり、不安で過敏になっている皮膚や関節の痛みであったりします。

発達障害由来の感覚過敏であることもあります。

勿論、身体に外科的な怪我が見つかることもありますし、持病の悪化が原因の内科的な痛みである例もあります。

(病院には係りの職員がすぐに連れていきます。投薬治療も、職員全員が毎日気をつけて行います。)

 


しかし、ぼくが1番多いと感じている痛みの理由。


それは

「不安な心をどうにかしてほしい。」

という、子どもなりの切なる訴えです。

 

これは心因性の痛みです。

劇的に効く薬のない痛みです。

 

子どもたちは毎日、不安定な心が訴える痛みを叫んでいます。

なぜ痛いのかわからないまま、患部の見えない傷がどうしても痛むと訴えているのです。

 

児童養護施設職員のぼくがする謎の痛みへの手当てグッズ

しっかり確認しても外傷がなく、薬の飲み忘れなどもない場合に、

ぼくが特効薬として施している手当てがあります。

 

まずは、常に携帯している大きめの絆創膏。

どう見ても怪我は見つからないけれど、

「ここが痛い」と皮膚の痛みを訴える場合に使用します。

 


二つ目は保湿クリーム。

どうしても怪我は見つからないけれど、

関節や筋肉、皮膚に痛みを訴える場合に使います。

(冬場は乾燥するので、本来の使い方で痒みにも効果が期待できます。)

 


三つ目は、暖かい飲み物です。

緑茶でも、ハーブティーでも、ココアでも紅茶でもコーヒーでもいい。

暖かい飲み物を、いつもより丁寧に淹れます。

手当てグッズを特効薬たらしめる重要なポイント

上記した3つの手当てグッズは、このままでは特効薬になり得ません。

 

絆創膏を手渡すだけでは、特効薬にはなりません。

保湿クリームを自分で塗りなさい、と指示をしたのでは薬にすらなりません。

暖かい飲み物を差し出しただけでは、特効薬とは言えないのです。

 

 

ではどうするの?

 


ぼくらが、手当てをするんです。

そのグッズを使って手当てをし、その子のためだけの時間を作るのです。

 

ぼくがその子のために膝を折って座り込み、ぼくの手で患部へ貼ることで、なんの変哲もない絆創膏は特効薬と化します。

家事や書類仕事を一時中断し、その子のために保湿クリームを取り出して、痛む部分に優しく塗布します。

筋肉が緊張しているから痛いのかもしれない。解すために、少しリンパのマッサージしてもいい?など、コミュニケーションも忘れずに。


小さな子なら膝に乗せて、痛む部分を何度もさすってから手当てグッズを使う日もあります。

大きな子たちなら「痛みに効くハーブティーだよ」なんて言いながら一杯、暖かいお茶を淹れ、話をします。

向い合わせではなく隣に座って、甘えやすい距離感で話をします。

 

 

子ども自身にも原因のわからない痛みは、


今私は手当てを施されている。

守られている。

治そうとしてくれている。

私のために気遣ってくれる。

私だけに時間を割いてくれる。

 

そんな安心感により、緩和されます。

いわば、安心を与えることこそが、原因不明の痛みに対する特効薬なのです。

 

絆創膏や保湿クリームは、「あなたを心配しているよ」を可視化するための手段に過ぎません。

暖かい飲み物も、「時間をかけて作ってもらった特別なもの」の可視化です。

冷たい飲み物は冷蔵庫に入れておけば常備できますが、暖かい飲み物は飲みたいその時に作るものですからねぇ。冷めちゃうしね。

安心を手渡したいときには、目に見える何かを媒介にするのがおすすめです。

「手当てしてもらった」と、子どもが無意識下で理解するのを助ける働きがあり、特効薬の効果が高まります。

「痛み」の少ない環境をぼくらが作るために

痛みに関する治療は、専門のお医者さんにしっかり指示を仰ぐのがベストです。

痛みの裏側には様々な病気が潜んでいる場合があります。

必ず一度、専門医による診察を受けてくださいね。

 

 

医師ではないぼくにできることは、

手当てをして、安心を作ること。

 


結果として、

痛みに効いているように感じる特効薬を手渡すことです。

 

不安定な足場で生きている子どもたちは、痛みを感知する力が強まっています。

命を守るために、心を守るために、

いち早く痛みを感じ、危険を回避しなければならないからです。

 

子どもたちに、愛を込めて手当てをしていれば

この人は危険ではない。

安心をくれる人だと認識してもらえるチャンスが増えます。

 


痛みや嫌悪感、倦怠感などを伝えてもらえること。

それは子どもの味方でありたいぼくにとって、とっても光栄なこと。

 

「あなたなら、私のこと守っていいよ」と言ってもらえているのですから。

「しんどいから側にいてよ」という、合図をもらえるわけですから。

 


「今日はおなかがいたい」と、素直に教えてもらえる大人でありたいものです。


そして痛みをも凌駕する何かを感じてもらえるように、努力できる大人でありたいものです。