子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

児童養護施設より、人間歴1000日未満の哲学者と学ぶ子ども哲学

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「誕生日が嬉しいのは、生まれてきたからだね」

ちびっこ先生の純粋かつ残酷な子ども哲学

この世に生を受けて1000日未満。

人間3年生くらいのちびっこたちが、

そのまっさらな心で一生懸命考えて生み出す哲学。

 


ぼくの勤め先である児童養護施設は、

親元を離れて生きる子どもたちが暮らす場所です。

 


彼らは、時々大人がハッとするような思考や疑問を投げ掛けてくれます。

幼い心から、いくつも出される答えのない問い。

答えようとしても、何故かパッと答えは出てこないし、考えてみると非常に奥が深いそれ。

 

子どもにもらった哲学の種。

ぼくのお気に入りをまとめました。

 

冬は寂しいから、俺の側にいるの

秋が終わる頃の、そう、あれは、幼稚園への送迎バスを待っている時でした。

もう寒いねぇ、冬はどうして寒いのかねぇ……

ぼくのそんな何気ない問いかけを拾った彼は、

「ふゆは さみしいんだよ。おれのそばに いるのは、おれといたら ひとりじゃないからだよ」

と言います。


彼はひとりの寂しさを知っています。

そして、寒いときは余計に寂しくなることを知っています。

彼のなかで、

「孤独は寒いものだ」

「冬は、冬自体が寂しがっているから寒いのだ」

と認識しているのかもしれません。

 

そうかもねぇ、冬にも上着あげたいねぇ、とぽつりぽつり話しているうちに、

排気ガスの白い煙を引きながら、暖房のきいたバスが到着したのでした。

これは闘いの炎なんだ!

風邪が流行る季節。

児童養護施設は子どもが多く、いくら感染しないよう気を付けても病気に勝てない。

 

蔓延してしまった風邪にやられ、今日も一人分、風邪引き部屋のベットが埋まりました。

 

ちびっこって、高熱でも比較的動き回れますよね。

でも彼は少し違いました。

彼は母親から

「病気の時はトイレ以外ベットにいないと死ぬよ」

と、母親に言われていたことを、ぼくは後々知ります。

ベットで安静にしてほしいし、最悪の事態も有り得るので間違ってはいないけど……

彼は自分の不調に怯えているようでした。

死を恐れていたのかもしれませんし、そう言われたときの母親の姿を思い出していたのかもしれません。

 


38℃を超える熱を出し、身体の不快感と倦怠感に唸っていた彼は、

風邪引き部屋担当であるぼくを呼びつけ、突然話し出します。


熱も高く、更に夜だったこともあり眠そうで、その現場では舌足らずになんだかうにゃうにゃ言っていました。可愛い。

(そのときのことは本人も覚えていないらしいのです。ちょっと笑っちゃいました。可愛い。)

 


しかし、言っていたことは少しじーんときて。

要約すると


「いま ぼくの からだは しょうぶ してる。」

「これは、ぼくと びょうきの ほんきの バトル。」

「ねつは、たたかいの ほのお なんだ!」

「だから うんどうかい みたいに おうえんして」

「ぼくが かつまで ここにいて」

 


病気による発熱は、闘いの炎。

彼は闘っています。

風邪と、自分と、過去の記憶と。

 

病気との闘いの炎については、真実と照らし合わせてもあながち間違っていないですよねぇ。

そこがまた、奥深いなぁと。

そして最後に小声で言った「ここにいて」が、ぼくの胸を強く打ったのでした。

君が勝った後も、ここにいるよ。

子ども哲学を、大人が教わる勉強会がしたい

子どもたちが「知っている」ことと、「考えたこと」を

教えてもらえる機会が増えたら嬉しいなぁと思います。

 

ぼく以外にも、子どもの世界を子どもに教わりたい人がいるんじゃなかろうか。

 

子どもたちに頼んで、「考える先生」になってもらえるイベントなんかをやりたいです。

 

大人が質問をして、子どもたちに考えてもらって、答えてもらう。

 


簡単なことからでいい。

予想のたてやすいことからでいい。

 

「好きってどういう気持ちですか?」

「嫌いってどういう気持ちですか?」

「誰かとおそろいだと嬉しくなるのはなぜですか?」

「ひとりだと寂しくなるのはなぜですか?」

「人は、生まれる前はどうしていたと思いますか?」

 

 


深まってきたら、ぼくがずっと求めている答えを一緒に探してほしい。


「大人ってなんですか?」

「大人は何のためにいると思いますか?」

「大人になりたいと思うときはどんなときですか?」

「子どもに優しくない大人は、どうなるべきだと思いますか?」

 

 

ぼくら大人が勇気をもって、教えてもらおうと動けばきっと

純粋で残酷な子どもの考えや、子どもにしかできない哲学が聞けるはずです。

あなたが子どもに聞いてみたいことはなんですか。

あなたが子どもに教わった哲学はなんですか。