子どもが僕らを素敵な先生にしてくれる。

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児童養護施設、小学校、教育系大学、教育実習、療育施設などで経験した事柄を連ねる、徒然なるままにが過ぎるブログ

ぼくらのたからばこやさん

トレジャーハンターTより、果てへの招待状

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「白い封筒と便箋に、真っ黒のインクの癖字で」

いつも悲しげな音楽が流れる私の街。

私の心はその音楽にさらされて、擦れて掠れて、弱ってしまった。

ここから出たいけれど、出る元気もない。

でもここに居続ける勇気もない。  

助けてって言う方法も、その機会も見つけられないよ。


どうしよう。どうしよう。

 

 

 

ある日のことです。

遠い山の向こうから、サーカスの音が聞こえてきました。

気になって覗いてみると、衣装に身を包んだ何人かの人影が見えます。

サーカスの団員でしょうか。

大勢に向かって、芸をしながら何かを話しています。

それを取り囲むようにして、観客が手を叩いて笑っています。

しかし周りには、泣いている人も、怒っている人もいるようで、私は「なんだか変なサーカスだな」と少し怪訝に思いました。

団員たちは、悲しみや怒りを露にしている観客に近づいては、何か白い封筒を手渡しているのです。

装飾もない、簡素な白い封筒を開けた人たちは、中身を見て泣いたり叫んだり笑ったりしたあと、それぞれの方向へ力強く歩いていきました。

白い封筒を受け取らない人や、中身を見て捨ててしまう人もいたけれど、団員たちはにこにこするだけで、気にしませんでした。

 

団員には全員名札がついていました。

楽しそうに歌っている「S」、不思議な踊りをしている「D」。巧みな手品を披露する「M」、玉乗りやジャグリングが上手な「P」……

とある一人の団員が、私にも近づいてきました。

胸元には「T」の名札がついていて、その表面が夕日に反射してきらりと光りました。

私はそれに見とれていました。

宝石みたいに光る名札が、宝物みたいだ。

 


膝をつき、何かを徐に差し出して、その団員Tは去っていきました。

思わず受け取ってしまったものは、白い封筒でした。

さっき観客に配っていたものと同じ封筒です。

私は糊付けされた開け口を破いて剥がし、中身を取り出しました。

白い便箋に、真っ黒のインクで何かが綴られています。

私はそれを読みました。

読んでいる最中に、泣いたり叫んだり笑ったりしました。

そのあと、不思議と歩く力が湧いてきて。


小さなサーカス団が奏でる音楽が重なって、街の悲しい音楽は、子守唄のように安らかに聞こえました。

 


私の街に、私の世界に、突如現れたサーカス団。

それは豪華で絢爛なものではなく、大きな獣も、派手な楽団もいません。

道端で開催されるそれには、舞台もありません。チケットもありません。

それでも確かに私にとって、心の踊るサーカスでした。

小さな小さな、きらきらのサーカス団でした。
 
もらった白い封筒は宝の地図に、きらりと光ったTたちの名札は、見つけるべき宝物に見えました。

私は彼らから招待状を受け取り、世界の入り口に立ったのです。

一緒に行こう。ここから出よう。

それはちっぽけな私が勇気を出した、小さな小さな旅の始まりでした。

トレジャーハンターTより、果てへの招待状

 ───誘いは、音に愛を乗せ簡潔に。

   「ぼくと旅をしないか。」

拝啓、親愛なる君へ……なんて

柄じゃないしねぇ。

 

チューニング?

合わせる必要ないよ。

足並み?

揃わないの 当たり前。
 
「できない」?

ダメなの?できなくちゃ。

そのままおいでよ。

 

 

四方八方 高い壁なら

どこからでも 開けられる穴

方法を探して覗く 無限の未知

全部、そう全部、君の世界さ!

 

 

ねぇ聞こえるかい、

ぼくらの声

生クリームにガムシロップかけていこう。

どんな石も、まじない次第だ。

二択は2つとも選べばいい。

宝物を入れる箱から一緒に作ろう。

この手をとって さぁ

 

 

 

 

───決断は、軽率且つ慎重且つ勇敢に。

   「20%(パー)でスタート」

答えのない問いばかりさ、

「生きる」なんてね。

 

 

過去の傷? 

包帯用意してあるよ。

未来の不安?

明日死ぬかもしれんのに?

後ろ髪? 

伸ばし続けりゃいいし

そのままおいでよ。

 


神出鬼没 

セオリーもないから

どこからでも現れる罠

崩壊の狭間 守れ、安全基地

それが側に居るぼくの役目さ!

 

 


ねぇ聞こえるかい、

ぼくらの声

ひよこも踊るよ 流動のセイメイ楽団

どんな意志も、まじない次第だ。

辛い二択に三択目あげちゃう。

宝物を入れる箱から一緒に作ろう。

この手をとって さぁ 

 

 

掛け違えたボタン
「おしゃれ!」と拍手

出た杭に
「ステキ!」なリボンをかけて

過不足にも
「天才!」の金メダル100個

起伏ごとの
「ぴったり!」発見はなまる!

思いっきりはみ出した透明な絵の具が
彩った呼吸で、今 返事をちょうだい。

 

 

 

人生に疲れた戦士へ。

背中をどうぞ 

眠ってたら着くよ。

命の終わりを予感するぼくら

ほしいもんは「ほしい」って言っていけ!

 

聞こえたろ? 

ぼくらの声。

君は選ばれた

聞き手に、歌い手に。

受け取ってくれ 果てへの招待状

君宛の白い封筒と便箋

宝物を入れる箱から一緒に作ろうよ。

Welcome to the next your world!

 

 


壊れた記憶の箱(オルゴール)抱えて
落とした違う色の涙

消えたかった昨日が辿り着く世界の入り口

旅の始まり