「出来ることは褒めて喜びます。出来ないことは協力します。苦手なことは一緒に考えます。」
もしかしたら軽度の発達障害かもしれない?
ぼくは児童養護施設で働いています。
毎日可愛い子どもたち。たくさんの時間を共に過ごせるので、ぼくには気づけることも多くある。誇りと希望を込めた持論です。
施設のとある小学生に、「もしかして?」という傾向がたくさん見受けられました。
宿題にひどく時間がかかり、持ち物はよく無くし、落ち着きがなくじっとしていられない。成績は悪くないのですが、日常生活において担任の先生から何度もお叱りの電話をいただいてしまう。
本人はいたって元気で、学校も大好き。友達もいるし、勉強も嫌いじゃない。でも先生は怖いからあんまり、とのこと。
この子の一連の言動を心理士さんに相談したところ、心理士さんも「もしかしてだねぇ」
とおっしゃって。
病院に予約を入れたらすぐに診てもらえるとのこと。トントン拍子に受診が決まりました。
発達障害のグレーゾーンと診断された!
ぼくが付き添って病院に行き、いくつかの検査を受けました。
本人は検査を楽んで受けており、
「これおもしろい!」
と声をあげて笑ったり、医師と話したりしていました。
検査後、数週間経って。お医者さんから
「グレーゾーンですね」
「発達障害の傾向があります」
という診断をもらいました。
まだ発達障害とは言えないものの、ほぼ発達障害よりのグレーゾーン。
彼の場合、聴覚から入る情報を処理できていないのだと教えられました。
ぼくと心理士は、「やっぱりか!」と目を見合わせました。
彼への具体的な支援を、これから周りの大人に周知していかねばなりません。
ここはハルくん、発達障害研究者としての腕の見せ所です。
発達障害グレーゾーンへの支援と指導。はたまた周知
実際に、児童養護施設職員と学校の先生方にお願いした支援をご紹介します。
その子に合った支援法をそれぞれ考え、実践していく。
これが大人にできる唯一最大の支援と指導です。
まぁね、どの子でも変わらないのですよ、ほんとうはね。
みんなにピッタリ、それぞれ生きやすく。子どもたちのために、その子のための支援法を考えられる大人で在りたいものです。
多動があり、じっとしていることが苦手
→机や椅子を、動かないようにぴったりのサイズにしてください。
→「動いている方が集中できる」特性があります。
→視界に刺激が少ない方が、長くじっとしていられます。
彼の場合、音で聞くよりも目で見たほうが理解できたので
→言葉での指示は単語で、明確に!
→1度名前を呼んで、彼の聞く体勢を整えてあげてください。
「○○くん、話すよ。靴をしまってね。」
「○○くん、聞いて。廊下は歩いてね。」
「○○くん、ここを見て。一緒に解いてみよう」
→指示はできれば紙に書いて、目で見えるように。
→約束事などもポスターにして書いておこう。
→持ち物一覧表をランドセルに貼って、毎日チェックする習慣をつけさせよう。
可愛い子供たちの成長の手伝いを
グレーゾーンと言われようが、発達障害と言われようが、定型発達と言われようが、ぼくにとっては何も変わりない可愛い子です。
その子がその子であるために。
その子がその子のまま生きやすいように、いつも考えて手伝うだけ。
ぼくはせんせーとして、大人として、支援法を考え続け、そして成長する子どもに合わせて進化し続けていく、それだけです。